補聴器販売店の実態

これからの高齢化社会、補聴器の普及率が伸びることは間違いないと思います。しかしながら、専門的な知識を有した、良心的な販売店は極めて少ないのが実情です。

補聴器販売店の実情を赤裸々に語ることで、これから補聴器の装用を検討している方々の、参考になれればと思っています。

アメブロでも投稿しています

当ブログ「補聴器販売店の実態」は、同内容のブログをアメーバブログでも投稿しています。 これまでは同時に投稿してきましたが、記事の一覧や分類等、読む方にとっても利便性が高いと思いますので、今後はアメブロに一本化したいと思います。 よろしくお願いいたします。

高い補聴器を売れ!

とにかく、知識や技術には疎くとも、自分なりに一生懸命やっていたせいか、最初の月から120万円の売り上げを上げることができました。 そして、最初の一年間は、売上が100万円を切ることはありませんでした。これは、入社一年目の新人としては悪くない成績でした。 給料も上がりました。私はこの調子でいけば、もっと安定した成績を維持して、更に給料が上がるだろうと期待しました。 でもこれは、ビギナーズラックのよ…

補聴器は高い!

東洋補聴器(仮称)の営業形態は「店舗」と「相談会」の二本立てで、担当はそれぞれ決まっていました。 「店舗」の担当は店に常駐し、チラシや電話帳を見て来店した客に、補聴器を販売します。 「相談会」というのは、市民会館のような公共施設の一室を借りて「補聴器相談会」を開催します。集客は主に新聞折込のチラシで、人口規模に応じた枚数を配布します。 私は最初、相談会の担当から始めました。社用車を貸与され、県内…

初成約

D支店では補聴器に関すること以外にも、発注の仕方や在庫管理、帳簿記入の方法など、実際に店舗を運営するために必要な知識も学びました。 そして、三週間が過ぎた頃、本社より「欠員が出たE支店に、店番として入るように」との指示が出ました。いよいよ、実際に店頭に立つこととなったのです。 そのE支店は売上が伸びず、前任者は一年ほどで解雇されたようでした。 私はまだ研修期間でしたが、その頃には先輩の話の端々か…

補聴器の調整は誰でもできる

前の記事で「補聴器の調整」について書こうとしたのですが、話が逸れてしまいました。 私が言いたかったのは「ある程度の補聴器の調整は、誰でもできる」ということです。だから、眼鏡店とか電器店とか、補聴器とは直接関係のない業界が補聴器販売に乗り出しているのです。 現在販売している補聴器は、そのほとんどが「デジタル補聴器」です。 そして、大半のデジタル補聴器は、パソコンのソフトを使って調整します。 まず「…

実践研修

私が配属されたのは、東北地方のD支店でした。基礎研修を行ったC支店と比べると、顧客が多く忙しいので、実際に使われている補聴器に触れる機会が増え、簡単な調整を任せられることもありました。 ところで、ここで一つ、補聴器の調整について述べたいと思います。 現在、補聴器は専門店以外の眼鏡店や電器店、ドラッグストア等での取り扱いが増えています。そして、その中でも「眼鏡店」で補聴器を買う人は、かなりの数にの…

研修スタート

JR、新幹線と乗り継いで、私は中部地方のC市に辿りつきました。 電車を降りてから、事前に渡された地図を頼りに歩いていくと、東洋補聴器の支店が見えてきました。 私は元々、大変な人見知りです。緊張と不安で顔を引きつらせながら、支店の扉を叩きました。 今回の研修生は私と、木元さんという男性、そして佐藤さんという女性の三名でした。そして、このC支店の店長が、研修の責任者でした。 つまり、研修所といっても…

採用決定

私の住んでいるA市から、面接場となるB市の支店までは、およそ30kmほどの距離でした。 支店は、駅から徒歩5分くらいのオフィス街の一角にありました。人通りの少ない通りで、どうみても、商店向けの立地ではありません。 店内も殺風景で、小売店というよりは、事務所という雰囲気でした。 面接の担当は、その店に勤務している先輩社員でした。 最初に訊ねられたのは、「補聴器がいくら位するか知っていますか?」とい…

面接へ

私が最初に応募したのは、東洋補聴器株式会社(仮称)という、補聴器業界では大手の部類に入る会社でした。 そこでちょうど、私が住んでいるA市に支店を出すための求人があったのです。募集人員は1名。募集要項には「シルバー産業のため将来有望」「順調に業績を伸ばしている」「研修があるので未経験でも応募可」とありました。 給料に関しては、基本給はそれほど高くはなかったのですが、賞与が前年度実績「年2回4月分」…

私が補聴器業界に入った理由

私が最初に補聴器業界に足を踏み入れたのは、三十代半ばの頃でした。 私はそれまで、職を転々としていました。 大体二年~四年で会社を辞めていたのです。 理由は色々ありましたが、やはり一番は「人間関係」でした。 私は真面目でしたが、固すぎて融通が利かないところがありました。 いわゆる「慇懃無礼」というやつです。一見すると大人しく見えるのですが、「おれが一番正しい」という傲慢さがあったため、納得が行かな…